2018年9月16日、安室奈美恵の引退の日が近づいている。
ファン歴20年の独身男が安室ちゃんのことをツラツラと書く、とっても気持ち悪い記事。
ブレークまで
『元気が出るテレビ』で空手少女として出演していたのを過去映像で見たことはあるけど、リアルタイムでテレビで見た一番古い記憶はテレビ朝日系列で放送されていた『いちご白書』という連続ドラマ。主演は小田茜で、小田茜の友人役を辺見えみりと安室ちゃんが演じていた。父親がラブホテルを経営している家庭の娘という、今では考えられない設定で出演。主題歌は大黒摩季の『チョット』。時代を感じる。この時は、顔が小さくてちょっと猿っぽい可愛い女の子という印象で、特に何も思っていなかった。
その後、ロッテのマスカットガムのCMでちょっと注目され始めて、『TRY ME~私を信じて~』でプチブレーク。当時はスポットCMが頻繁にテレビで流れていた。ユーロビートに合わせて歌い踊るファッショナブルな姿が斬新だった。歌もダンスも上手くて、たちまちファッションアイコンとして人気が出た。「あ、なんかめっちゃいいかも。」と思って、この頃から安室奈美恵という存在が気になりだした。
その後『太陽のSEASON』『Stop the music』をリリースした後、『Body Feels Exit』で小室ファミリーとなって、大ブレーク。当時、『avex dance Matrix ’95 DANCE CAMP』という小室ファミリーが総出演する野外イベントがあったのだけど、安室ちゃん見たさに見に行った。『Body Feels Exit』の未完成バージョンが披露されて、CDでリリースされているものとは違う歌詞の歌を聴けた貴重な体験。
“THE夜もヒッパレ”にレギュラー出演していたのもこの頃。MCでは、ちょっとアホっぽい発言をするのも可愛かったけど、歌を歌う時にはガラッと雰囲気が変わって、どんな歌でも自分のものにしていた。「この人、本物のスターやな」と思った。
『Chase the Chance』の”もうどうしようもないビンビン来てる”とかいうハチャメチャな歌詞も、安室ちゃんが歌うと何故かカッコよく聞こえた。友達がカラオケで歌うとコミックソングみたいで笑えるのだけど。”ビンビン来てる”とかいう歌詞が思い浮かぶ前田たかひろも天才だと思う。
『Don’t wanna cry』でダンサーが黒人に変わり、MAX(=スーパーモンキーズ)はお払い箱に。『You’re my sunshine』がイメージソングだったシーブリーズのCMに心奪われ、足だけが映った謎のジャケットのアルバム『SWEET 19 BLUES』を買い、『Body Feels Exit』が”バディバディバディバディ・・・”という改悪されたアレンジに不満を抱きつつも、繰り返し何度も聴き返した。
『a walk in the park』でやっていた団子頭にパンダメイクという一般人がしたら後ろ指指されそうな見た目も、安室ちゃんがやるとサマになるから不思議。アムラーが大流行し、ハマダーやシノラーなるものも現れたw。『That’s カンニング!史上最大の作戦?』というB級映画にやる気なさそうに出演していたのもこの頃。歌だけやりたいのに事務所に無理やり出演させられて可愛そうだった。
『CAN YOU CELEBRATE?』がドラマ”バージンロード”の主題歌になって大ヒット。ドラマは見ていなかったけど、テーマ曲が流れる時にドラマの本編とは全く関係ない安室ちゃんがフル出演していたので、そこだけ見ていた。10代でウェディングソングを歌いこなす安室ちゃんは、やっぱりタダ者ではない。
その後『How to be a Girl』をリリース。「なんだ?この曲。小室さん、もっと安室ちゃんに良い曲を書いてくれよ」と思いつつ、アルバム『Concentration 20』が発売されたので即購入。なんだ?このアルバム。今聴いたら、また違う感想を持つかもしれないけど、10代の自分にはこのアルバムの良さが全く分からず、何回か聴いたあと、今まで1回も聴いていない。
で、SAMと結婚。「SAM、何やってくれてんだよ!」とは思ったものの、デキ婚ってのも安室ちゃんぽくてまぁ良いんじゃない?て感じだった。妊娠中に発表した『Dreaming I was Dreaming』は、別に無理してリリースしなくて良かったんじゃないかと思った空気な曲。で、紅白に出場して産休へ。
安室ちゃん人気は瞬間風速的に凄まじい勢いで盛り上がった。曲もファッションも全てが世間に支持されていた。でも上に上がれば、必ず下に下がる。復帰後に低迷期と言われる時代に入る。
世間的には低迷期。でもファン継続。
1年の産休・育休期間を経て『I HAVE NEVER SEEN』で復帰。自分は結構好きだったんだけど、世間的には”これじゃない感”が凄かった。『RESPECT the POWER OF LOVE』のリリースと同時に母親が殺害される。その後すぐに”HEY!HEY!HEY!”で気丈に歌い切る安室ちゃんの姿に涙した。
ポケモンの主題歌だった『toi ei moi』は著作権かなんかの関係で露出が控えめになり、次にダラス・オースティンのプロデュースで『SOMETHING ‘BOUT THE KISS』をリリース。テレビにも頻繁に出演して「安室ちゃん気合い入っているなー」と思っていたけど、どこで盛り上がっていいのか分からない曲に世間の反応はあまり良くなかったような記憶がある。
そのままダラスプロデュースのシングルが続くのかと思いきや『LOVE2000』で小室さんの曲再び。ダンサーにTRFのCHIHARUとETSUを従え華麗に歌い踊る。その後、沖縄サミットで、能面のような各国首脳陣の前で『NEVER END』を健気に歌う安室ちゃん。”ロックな曲が歌いたい”と小室さんにリクエストして作られた『PLEASE SMILE AGAIN』。この曲がロックなのか分からないけど、自分がリクエストして作られた曲だからか、テレビではいつもイキイキ歌っていた記憶がある。
『think of me/no more tears』で小室プロデュースが終了。キャンユーの後からパッとした曲があまり無かったけど、『no more tears』は、マジで神曲。ファンの間でも人気のある曲。人気に陰りが出ていた時にリリースされたので一般的には認知度は低いかもしれないけど、『no more tears』は、最後に小室さんがくれた最高のプレゼント。
そして『Say the word』で作詞:安室奈美恵に。滑走路で歌い踊るPVが格好良かった。『I WILL』『Wishing On the Same Star』でバラード曲が続き、おそらくここで安室人気が底になったと思う。ファンであっても、「なんでこんな微妙な曲ばっかりリリースするんやろ」と思っていたもの。
続・低迷期。ファン熱はピークに。
しかーし!そこから半年後にリリースされた『shine more』で度肝を抜かれた。これまでに聴いたことのないようなサウンドに、黒の衣装にツインテールで歌う安室ちゃんはマジ可愛いしカッコよかった。ここから自分のファン度はピークに。
同じころ、”SUITE CHIC”で色んなアーティストとコラボするプロジェクトが始動。アルバム『WHEN POP HITS THE FAN』は全曲カッコよかった。オシャレ感ハンパない。B級映画に出ていた頃の安室ちゃんはどこへやら。自分のやりたいことをやれている安室ちゃん。ホンマに良かった。
その後『Put ‘Em Up』をリリース。めちゃカッコよくて、会社の同期に「この曲めっちゃいいやろ!」と言って聴かせたところ、「なんかお経みないな曲やな」と言われたことは今でも忘れないw。『SO CRAZY』をリリースした後、アルバム『STYLE』をリリース。これまでのアルバムとは一線を画していて、『Namie’s Style』という曲に代表されるように、この路線で行くんだという決意が感じられるアルバムだった。
『ALARM』をリリース。発売した曲は、ずっとオリコン10位以内だったのに、この曲で初めてオリコン11位に。オリコン10位以内の連続記録はここで途絶えた。曲はめっちゃカッコよくて、ファンの間でも人気の高い曲なんだけど、一般受けしないのも分かる気がする。もしこの曲が無かったらオリコン10位以内の連続記録は引退するまで続いたので悔しい気持ちもあるけど、安室ちゃんは記録とか順位とか気にしてなさそうなので、ファンの間でも気にしないようにしようという話になった。
『ALL FOR YOU』が同じ事務所の観月ありさのドラマの主題歌になるも、さほど話題にもならず、続いて『GIRL TALK/the SPEED STAR』をリリース。この曲がイメージソングになっていたマンダム”LUCIDO-L”のCMに出てる安室ちゃんはめちゃめちゃ可愛かった。世間的には人気のピークは過ぎたと言われていた安室ちゃんを使ってくれてありがとうマンダムと心の中でずっと思っていた。
これこそお経というような『WANT ME,WANT ME』をリリース。”ウォンミウォンミ~♪”と歌いながら水面を蹴る安室ちゃんを愛でた後、『White Light/Violet Sauce』がリリースされた。初のクリスマスソングという触れ込みだった。でもご存知の通り、クリスマスの定番ソングにはなっていない。PVが超絶可愛かった。
次に『CAN’T SLEEP, CAN’T EAT, I’M SICK』をリリース。少女マンガにはまっていた安室ちゃんにヒントを得てT.KURA&michico夫妻が書いた曲。ミニスカ姿が可愛かった。『Baby Don’t Cry』がドラマ”ヒミツの花園”に起用されたこともあって、ちょっとメジャー感が戻ってくる。『FUNKY TOWN』が”新リプトン リモーネ”のCイメージソングになったので、コンビニではリプトンの紅茶ばっかり買っていたw。
人気が戻ってきた?。ファン熱はピーク超え。
続いて『60s 70s 80s』をリリース!”Fashion × Music × ヴィダルサスーン”のキャッチフレーズで放送されていたCMがめちゃめちゃ可愛かった。『60s 70s 80s』に収録されている『WHAT A FEELING』のPVで、両手広げてピョンって飛ぶとこがめちゃくちゃ可愛いんだけど、共感してくれる人いるかなw。この曲で久々のオリコン1位をゲット。
ブレずに自分のスタイルを貫いてやってきたことがこのCMに繋がって、CD売上も伸びて嬉しかった。会社の同期に「最近、安室ちゃんの人気復活してきたよな!」と言ったら、「え、安室?もう終わった人やろ」って言われたことは決して忘れないw。この時から「自分が良いと思うなら、それだけで良いんだ。もう安室ちゃんの話を人にするのはやめよう。」と決意した。
次はどんな曲だろーと楽しみにしていたけど、『WILD/Dr.』がリリースされたのは1年後。「なんでPVがアニメなんだよ!安室ちゃんを映せよっ!」とプチ不満を抱きつつ、またその一年後に『Break It/Get Myself Back』をリリース。
この間にロンブー敦との熱愛発覚。子供置いて年末にアメリカ旅行。相手が悪かったのか、世間から猛バッシングw。別に誰と付き合おうがどうでもいいけど、これで人気に陰りが出て曲がリリースできなくなるようなことだけはないように願っていた。『Break It/Get Myself Back』のリリース時期は、テレビに頻繁に出ていた。恐らく、事務所からバッシングの代償としてテレビ出て稼げと言われていたんだと思う。知らんけど。
そして2011年、神アルバム『Checkmate!』をリリース。色んなアーティストとコラボしたベストアルバム。2曲目の山Pとのコラボ曲『UNUSUAL』と、3曲目のAFTERSCHOOLとのコラボ曲『make it happen』が悶絶良くて、毎日聞いていた。PVもめちゃかっこいい。
山Pのダンスが下手で安室ちゃんが不機嫌になったとかいう噂があったけど、真相は分からん。AFTERSCHOOLとのコラボは、安室ちゃんと愉快な仲間たちみたいな感じで、8人でかかっても安室ちゃん1人のオーラには勝てないことが分かるPVになっていると思う(AFTERSCHOOLファンの方ごめんなさい)。『Checkmate!』のPRを兼ねてMステに出演予定と聞いて楽しみにしていたのだけど、東日本大震災が起こって出演は見送り。
シングルとしては1年ぶりの『NAKED/Fight Together/Tempest』をリリース。Tempestは仲間由紀恵主演のドラマ主題歌で、ドラマの世界観にめちゃめちゃマッチしていて良かった。『Sit!Stay!Wait!Down!/Love Story』が月9ドラマの主題歌になって、ドラマに安室奈美恵本人役で出演していた。歌番組で歌うことはなくなった安室ちゃんをテレビで見れる貴重な機会だった。
『Go Round/YEAH-OH』『Big Boys Cry/Beautiful』をリリースした当たりから英語歌詞への傾倒が始まる。そしてレーベルが”avex trax”から”Dimension Point”へ。個人レーベルでの初シングルにワクワクして期待していたのだけど、まさかの『TSUKI』というバラードがっかり曲。次に、沢尻エリカ主演のドラマ”ファーストクラス”の主題歌になった『BRIGHTER DAY』をリリース。PVで指先から謎の物体を出してる前髪おろしている安室ちゃんがめちゃめちゃ可愛い。
この頃、台湾で蔡依林とのコラボ曲『I’m Not Yours feat.安室奈美恵』をリリース。台湾語と英語で何言ってんのか分からんけど、曲もPVもめちゃ良い。そして完全に蔡依林を食ってしまってる安室ちゃんのオーラが凄い。YoutubeにPVが上がっているので、是非見て欲しい。で、ここからまた1年空いて『Red Carpet』をリリース。
集団ダンスが超絶格好いい『Mint』が、ジェットコースタードラマ”僕のヤバイ妻”の主題歌に起用されてちょっと話題に。で、次に『Hero』。NHKオリンピックのテーマ曲だったので、紅白出るか?と言われていたけど、結局この年には出なかった。あの手この手でオファーがあったと思うけど、頑なにテレビで歌わない安室ちゃんのブレない姿勢が凄い。『Dear Diary/Fiter』が、この年3作目のリリース。なんかハイペースでリリースしてるなーと思っていたのだけど、これも引退への布石だったのかもしれない。
“母になる”の主題歌『Just You and I』をリリース後、2017年9月20日に、2018年9月16日に引退することを公式サイトで電撃発表。ずっと安室ちゃんを見ていて、いつか来ると思っていたためか、引退発表があった時はショックではなく「やっぱりきたか」という感じで冷静だった気がする。世間が異常に騒いでいたけど、騒いでいるやつらが低迷期に「安室は終わった」と言っていたことは忘れてへんでw。そして年末に紅白出場。『Hero』が歌われた。歌も演出も良かったし、最後に涙する安室ちゃんに心打たれた。でも、これじゃない感もあった。最後だから踊りながら歌う安室ちゃんが見たかった。
今でも好きだしテレビでふいに流れる安室ちゃんのCMが流れると見てしまう。でも引退発表前のようなファン熱は無くなった。その証拠に、これまでのアルバムは全部買っていたのだけど、『Finally』は買う気がしなくて買っていない。”去る者追わず”は、自分のモットーなんだけど、安室ちゃんに対してもそれが出ているのかもしれない。去っていくものに執着が無い訳ではなくて、多分去る者に執着すると自分が傷つくことが分かっているので、一種の自己防衛本能が働いてそうなっているのかもしれない。
芸能人の中で、10代の頃から20年以上にも渡って、こんなにも長く魅了され続けたのは安室ちゃん唯ひとり。引退後に何するのか知らんけど、今まで素晴らしい体験を本当にありがとうと思っている。