体操の速見佑斗元コーチが宮川紗江選手に暴力を振るったとして、日本協会から無期限の登録抹消等の処分を受けたことが連日ニュースになっている。そこから塚原夫妻のパワハラだったり体操界の闇だったり、テレビでは過熱報道の様相を呈している。
マスメディアが伝える情報は、事実を断片的に切り取って受け手にキャッチ―なものとして伝えていると思うので、真実がどこにあるのかは当事者にしか分からない。でも、コーチが選手に暴力を振るったことは当の本人たちが認めているし、映像でも流れているので事実なんだろう。
理由はどうあれ、30過ぎの男が絶対的に下の立場の10代の女子選手に暴力を振るうのは、人として何かが欠落した人間がすることとしか思えない。また、暴力を受けた側の選手がコーチを庇う発言をしているのは、DVにおける共依存の関係のようで気持ち悪い。
まぁでも体操界がどうであれ、自分の生きてる世界には全く関係の無いことなので、外野がどーのこーの言うのはここまでで、このニュースを見て、ふと自分の中学生の時の部活のことを思い出した。
中学生の時に入っていた部活は運動部で、県大会や全国大会には常連出場の強豪校と呼ばれるところだった。顧問の指導は、とても厳しくて暴力は日常茶飯事だった。厳しいというのは良い言い方で、自分には暴力で中学生をマインドコントロールして支配する恐怖政策のような指導だと思っていた。中学生なので厳しくしないと分からないこともあるのだろうけど、一貫して論理性に欠ける暴力での指導は、ただの指導力の無さの表れなんじゃないかと思う。
勝つために、それを正のものして受け入れて部活を続ける同級生や先輩もいたけど、自分には「何のためにそこまでしなきゃいけないんだろ?」という疑問が常にあった。「こんな気持ち悪いところにはいたくない」と思って、部活は途中でやめた。
部活を辞める時には、やれ「逃げた」だの「根性がない」だの言われた記憶があるけど、絶対的上下関係を振りかざして子供に対して暴力で支配するような人間には関わりたくないという、中学生当時の自分なりの正当化された理由があったので、周りが何を言おうと別にどうとも思わなかった。
狭いコミュニティでどうにも変えられないことがあるなら、そこから脱出するのは何も責められることではないと思う。中学校という狭い世界で、更にその中の部活動という狭い世界で繰り広げられる理不尽なことに抗わないでいる理由が全く分からない。外には全く違う世界があるのだから、おかしいと思ったら逃げたらええねん、逃げたら。世界は広いで。部活を続けている人がいるので、自分が辞めた本当の理由は誰にも言わなかったけど、今、何十年か経って、そのことを思い出してブログに書いている。
この経験があってか、暴力を振るう人は折角知性を持った人間に生まれてきたのに、頭のネジが取れたかわいそうな人という見方をしてしまう。そんな人には一瞬たりとも関わりたくないんやけど、結構身近に暴力を振るう人がいることを知った。弟の話。
弟は飲食業界で働いているのだけど、新人の頃、店長から蹴られることもあったと言っていた。「え…社会人にもなって、そんなことあるんや」と軽く衝撃を受けるとともに、なんて低俗な世界なんだろうと思った。しかも先輩という立場を盾に、弱い立場の者に暴力を振るっている。クズだな。
可愛い弟がそんな目にあっていることが許せなくて、「辞めたらええやん、そんなとこ。働くとこなんて、他にいっぱいあるで。」と言ってみたけど、当の本人は「そやなぁ。モゴモゴ、ふへぇ~、はへぇ~。」って感じで別に転職する様子はなかった。
弟にとっては、そんなことがあっても、そこで働く他の理由があるんだろう。何事も決めるのは本人だと思っているので、それ以上は何も言わないけど。自分だったら、蹴られたりした時点で即刻辞めるだろう。他にそこで働くメリットがどんなにあったとしても。それくらい暴力というものに対して嫌悪感があるし、そういった人間がいる空間が生理的に受け付けられない。
雑記ブログとはいえ、このブログには、読み返した時に楽しい気分になれるようなことを書こうと思っていたのに、2記事目にして、どんよりした記事を書いてしまった(><)。…まぁでも、ここには何の制約も持たせず思ったことや日々の出来事を書こうとも思っていたので、まぁいいか笑。